認知症の方が服を選びやすくなる収納の工夫
認知症の方の着替えでは、「服を選ぶ」ことが難しくなる場合があります。
そのため、衣類そのものだけでなく、収納方法を少し工夫することで、ご本人様が選びやすくなることがあります。
「服を選ぶ」は意外と難しい動作です
服を選ぶためには、
- 衣類をしまってある場所を思い出す
- 上着やズボンなど種類を見分ける
- 季節や予定に合った服を選ぶ
といった、いくつもの判断が必要になります。
認知症になると、このような複数の判断を順番に行うことが難しくなる場合があります。
そのため、
「何を着ればいいのか分からない」
「同じ服ばかり選んでしまう」
といったことが起こることがあります。
そんな時には、見える収納がおすすめです
収納を少し工夫すると、服を選びやすくなることがあります。
例えば、
- ハンガーに掛けて見えるように収納する
- 一度に見える服の数を少なくする
といった方法です。
服が目に入りやすくなることで、ご本人様が選びやすくなる場合があります。
ラベルを付ける方法もあります
収納場所に、
「上着」
「ズボン」
などのラベルを付ける方法もあります。
「どこに何があるか」が分かりやすくなることで、ご本人様だけでなく、ご家族様や介助される方にとっても準備がしやすくなることがあります。
一週間分の衣類を準備する方法もあります
毎日の服選びで迷うことが多い場合は、一週間分の衣類をあらかじめ準備しておく方法もあります。
例えば、
上着・ズボン・肌着を一組ずつまとめておくことで、
「今日はどれを着よう」
と迷う時間を減らせることがあります。
また、外出など予定が決まっている日は、
「今日は買い物に行くから、この服はどうですか?」
など、場面に合わせて衣類を提案することで、混乱なく服を選びやすくなることがあります。
さらに、脱ぎ着がしやすい衣類を準備しておくことも、ご本人様の負担を軽くすることにつながる場合があります。
もちろん、ご本人様がご自身で服を選ぶことを楽しみにされている場合は、そのお気持ちも大切にしたいと考えています。
収納も「できること」を支える工夫です
収納を工夫する目的は、
「管理しやすくすること」
だけではありません。
ご本人様が、
「今日はこの服を着よう。」
と、ご自身で選べる時間を支えることも大切です。
「自分で選ぶことができる」という経験や自信につながるよう、環境を整えることも認知症ケアの一つだと考えています。
迷われたらご相談ください
「どんな収納なら選びやすくなりますか?」
「着替えやすい衣類も一緒に考えたいです。」
そんな時は、お気軽にご相談ください。
せたがや介護では、ご本人様のお身体の状態や生活環境を伺いながら、衣類だけでなく、ご本人様が「できること」を続けられる環境づくりについても一緒に考えています。
私たちは、衣類もご本人様の「その方らしさ」を支える環境づくりの一つだと考えています。
※この記事は、生活協同組合コープかごしま・鹿児島県作業療法士協会かごしま認知症OTネットワーク作成『くらしのあれこれヒント集 パート2』の「着替え(更衣)」の考え方、および第27回日本認知症ケア学会大会 教育講演7「生活障害や残存能力の解像度を高めリハビリテーションやケアに活かす」(演者:田平 隆行先生)の講義内容を参考に、せたがや介護が日々のご相談や衣類選びの経験を踏まえてまとめたものです。
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